PowerPlatform 中級編9

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中級編最終章となります。作って終わり、では発展性がありません。今回の成果物に対する評価と今後の展望について考えます。

成果物に対する評価

作り手側としては作ったら満足してしまう気持ちもわかるのですが、それがどれだけの工数が掛かり、どんな効果を生んだかを分析しないと、正当な評価ができないし、正当な評価を受けられません。これが御社の業務アプリだったと考えてください。すごいもの作っただろう!?で評価されますか?この部分をきっちり行うことが自分への評価に繋がると思って頂ければ。IT担当者でなく、現場で作られているような方でしたら尚更です。

まず制作時間の評価です。

  • 全体の設計:2日程度
  • SharePointリスト:追加含め2時間程度
  • PowerApps:追加修正含め4時間程度
  • PowerAutomate:追加修正含め4時間程度
  • PowerBI:設計、追加修正含め3日程度
  • 合計:正味6日程度

とにかく今回、PowerBIに苦戦しました。やはり慣れていないものに対してのスピード感は遅く、経験を積まなければならないと感じました。逆を言えば当方としては経験をアウトプットするという事で、スキルは格段に上昇しましたので、成果の一つと考えています。

次に、目標に対する達成についての評価です。

目標:消耗品の切れる日を予測できるようになる、という点に対して評価は100%達成です。(トイレはまだ着手していませんが、できる確証は得られているので)

そして、目標達成したこの活動によって得られた成果についての評価です。目標を達成したが何も成果が無い、ではそもそも目標の時点で間違っているという事になってしまいます。

成果ですが、これによって想定通り、切れる前に消耗品を購入するという流れが実現できます。現にもう少しで牧草が切れそうですので、終了予定日までに外出ついでにホームセンターへ行き購入ができます。これにより少なくとも1ヶ月に2回(サイクル13日と判明したので)、ホームセンターまでの往復30分の拘束時間+ガソリン代が掛からなくなるという効果が出ました。正式な入力がされていく事で他の消耗品も効果として出てくるでしょう。

拘束時間だけを考えてみても、費やされた時間は6日間分ありましたが、長い時間はかかるかもしれませんがいずれ拘束時間の時間短縮が費やした6日間を上回る時が来ます。余分な時間を短縮するという改善はリターンとして考えやすいです。また、今回消耗品のついでに、うさぎの健康状態や水の量も入れられるようにしたことで、日報としての機能も持てるようになりました。何かあった時に過去を振り返りやすいです。トレーサビリティを良くしたと言っていいと思います。

以上のように、費用(時間)対効果は十分にあったと考えて良いと思います。

今後の発展性について

PowerPlatformシリーズの強みとして、改善のサイクルが速いというのは一番初めにご説明させていただきました。今回この結果を受けて、もちろんトイレ用品を進めていくという案件内の方向性はあるのですが、「そういえばこれも困っていたな・・・」みたいなことが1つできると湧き上がってきます。

例えば当方の場合だと、知らず知らずに切れてしまう消耗品は色々あります。際たるものはシャンプーリンスや、食器洗い洗剤・洗濯洗剤などの「液体容器」の消耗品です。これらも今回の案件と同様に管理できるんじゃないか?いや個人個人の使用量が全然違うから難しいんじゃないか、と言ったように、一つできれば一つ議論の場に上がります。

当然、似たような案件だとするならば、前の知識/経験が活かせるので、費やす時間は短縮され、改善サイクルはさらに速くなります。そうすれば効果を上げるスピードも上がる、と、相乗効果を期待できます。一つの仕組みを作ったら、それ自体を良くするのと、他に転用できるか検討する、の2種類の可能性を検討しましょう。

次のステップ

以上で、中級編終了となります。上級編は、実際に改善業務で用いてきた案件例やテクニックを随時公開できればと考えています。また、それとは別に当方向けの案件(御社向けに改良すれば業務アプリで使える)も随時公開していきます。

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